パフォーマンス言語インストラクターのブログ

もっと自由な表現を!インプロ、即興型、芝居、英語劇・・・などなどを運営しているクラスやレッスンに取り入れて頂き、もっと「自分を表現することができる」人が増えるお手伝いをしています!

3ステップであなたのクラスに演劇的要素を!インプロゲーム、演劇の導入の仕方

 

どうも、パフォーマンス言語インストラクターのMariです。

 

巷でインプロゲームとか、即興型学習とか、演劇的学習とか、

語学クラスに相性が良いツールがたくさん溢れ出ていますが、

 

結局どうやって語学クラスに取り入れたら良いの?

って言う疑問、持っている方意外に多い様ですね。

 

 

先日も、キッズ英語教室を運営されている方にご相談を受けました。

「インプロワークショップを受けて、"これはいい!!"と惚れ込んだので、

まずは、演劇的要素を取り入れて見ようと思って、戯曲を取り入れて音読させて見ました。でも、ここからどうやって戯曲を発展させるのか、インプロをどうやって利用するべきなのか、分からないのです。。。」

と。

 

非常に、そのお気持ち分かります。

台本を用意して見て、

音読させて見て、

単語の意味を調べて理解して、

台詞も理解して。。。。

 

それで??

 

って感じですよね。

 

ましてや、

インプロゲームってどこにどうやって演劇的クラスに取り入れるの?

って感じですよね。

 

 

 

私も、英語劇を立ち上げた当初、同じ悩みに陥っていました。

「ゲームもなんとなく知ってるし、戯曲も選んで見たけど・・・

なんだかいつものクラスと同じで、教科書を音読させて会話の練習させて終わっている。。。こんなハズじゃなかったのにな」

って、皆さんと同じ様に導入の仕方に悩んでいましたよ。

 

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そこで、今日は私の10年のワークショップ経験の中で、

失敗しながら身についてきた導入の仕方をご紹介致します。

門外不出なので、ここだけのお話にしといてくださいね(笑)

 

 

ステップ1:ゴールを決める

 

 そんな当たり前の事を。。。と思われた方!

ちょっとお待ちを。

クラスを運営されている方ならば、そのクラスのゴール、目標、アジェンダの設定はされている事でしょう。

でも、この演劇的要素・インプロを導入される理由は何でしょうか?

まずは、そこから探っていきましょう。

・自由に発言して欲しいから?

・普段とは違う英語(学習言語)を話して欲しいから?

・記憶力をあげて欲しいから?

・自己表現を達成して欲しいから?

・英語(学習言語)でストーリーを理解する力を着けて欲しいから?

・まだクラスが始まったばかりなので、学習者に馴染んで欲しいから?

 

単語力を上げる、リスニング力を上げる、などの端的に数字に表されるテスト対策であれば、インプロ・演劇的要素に目を着けていない方ばかりだと予想しています。

 

例えば、自由に発言して欲しいからと言う目的をお持ちだった場合。

きっとその方の教室では、学習者が英語になると途端に話せなくなったり、知っている表現でも発話しなかったりと言う方が多いのかもしれません。

 

記憶力を上げて欲しいからと言う目的の場合は、

構文を覚えられる学習者が少なく、反復して同じフレーズばかりを教えているかもしれません。

 

この目的によって、使用するゲーム、戯曲の応用の仕方が変わります。

 

まずは、そこをハッキリと見つめましょう。

もちろん、複合的なゴールでも構いませんが、優先順位を立てるとよりインプロや演劇的要素を取り入れやすくなります。

 

 

 

ステップ2:最後のゲームを決める

 一番最後に学習者にプレイして欲しいゲームを決めます。

または、プレイして欲しい戯曲のシーンを決めます。

ステップ1で決めたゴールを叶えてくれる様な、ゲームです!

 

自由に発言して欲しいから、と言うゴールをお持ちの場合は、

私でしたら、次の様なゲームや戯曲の応用方法を取り入れます。

インプロゲーム:

最初と最後 (2人組になり、最初と最後の台詞だけを決め、その間の会話を自然に繋いでいく) - 言語レベル上級

何をしているの?(動詞と動作を主に使用するゲーム) - 言語レベル初級・中級

解決社長 (問題を報告に来た社員に、社長役の人が「それはちょうどいい!」と解決策を次々に提案していく) - 言語レベル中級・上級

銅像作品発表会 (ペアになり、一人が銅像になりきりポーズを決める。もう一人は、その銅像の作者となり、観客に作品の説明をする) - 言語レベル初級・中級

 

 

戯曲の応用:

応用例①

戯曲の続きを作っちゃう!

A:会話のあるシーンを抜粋し、登場人数分のグループに分けます。

例) 4人の会話のシーンであれば、4人組に分けます。人数が足りない場合は、台詞を振り分けても良いですね。

B:その続きのシーンを考えてもらい、台詞や動作も作り上げてもらいます。

例えば、「桃太郎」で、おばあさんとおじいさんが桃を切って桃太郎に出会ったシーン。その後のシーンを、そのグループで創造してもらいます

言語レベルによっては、この作業も学習言語で行なっても良いでしょう。

C:そして、クラスで発表。それぞれの違うアイディアを学びます。

これは、戯曲を全てまだ読んでいない時などに良いでしょう。
終わってから実際の戯曲ではどの様にお話が進んでいるか、興味を持って読み進めることができます。

台詞を考える時に「こう言いたい」と言う欲求が出て来て、表現したい言葉を見つける事ができます。学習言語は、「言いたい事」がハッキリすると上達も早いですよね。

 

応用例②

登場人物の紹介ビデオを作成する!

いや、本当にビデオ作成する必要はありません。クラス上の設定で問題ありません。

先ほどの例えの「桃太郎」を用いて説明しましょう。

この桃太郎の親、マネージャー、恋人などになったつもりで、桃太郎について語っていただきます。

これは、即興で発表してもらっても良いですし、台本を作成する時間を与え発表してもらっても良いでしょう。言語レベルやクラスカルチャーに合わせて設定すると良いですね。

クラス全体での発表がハードルが高い場合は、グループ別にしても良いでしょう。

それで、グループ内でベストの人を選んでもらい、そのベストの人たちだけクラス前で発表もありですね。発表の仕方はアレンジできます。

 

例えば、私が発表者で、桃太郎の恋人と設定した場合。

「彼とは、3年前に出会ったの。私が、喉乾いたから川で水を飲んでたら、桃が流れて来て。その桃から顔が覗いていたので、ビックリして叫んだら、その桃太郎慌てて飛び出して来ました。桃の中をちぎって持ってきたの"はい、これ"って。
お腹ペッコペコだったので、頂いて・・・

そしたら、それを見ていた他の村人たちが、僕も私もって言い始めたの。

でも、桃太郎さん躊躇なく桃の中を削って配り始めたの。

こんな優しい人見た事ないって。。。」

みたいな、もう自由〜に、制限なく、作ってください。

オチ作ろうとしなくて良いのです。

一番大事なのは「誰が、どこで、いつ、何が」を入れる事ですね。

 

 

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ステップ3:練習ゲームを決める!

ゴールも決まり、ゴールを叶えるゲームも決めました。

 あとは、その間を埋めるだけです。

簡単に言っていますが、それくらい簡単なのです。

 

自由に発言して欲しい、と言うゴールの例えをそのまま使いましょう。

ゴールのゲームは、「銅像作品発表」。

このゲームに必要なパフォーマンスの要素は何でしょうか?

銅像役の人は、自由な体の表現が必要ですね。

⇨作者役の人は、銅像役の人を観察して想像する力が必要ですね。

⇨二人とも、クラスの前で発表する落ち着きが必要ですね。

と言う風に、ゴールのゲームに必要な要素を分解して行きます。

分解と言ってもそんなに難しい事ではありません。

「自分がこのゲームをするならば、ここはハードル高いかも?」と言う部分を、拾って行くのです。

 

言うなれば、マラソンにチャレンジする際に、行うストレッチやトレーニングを考えていく様なものです。

フルマラソンであれば、42.195KMを走り切れる様に、体を軽くしよう。

膝に負担の無い様に走りたいから、フォームを勉強しよう。

足のストレスを減らしたいから、シューズを研究してみよう。

と言う様な感じですね。

 

今回のパフォーマンスの要素は、

・自由な体の表現

・観察して想像する力

・落ち着き

が上がりました。

 

これらをウォームアップしてくれるゲームを選んで行きます。

・自由な体の表現 

だったら、名前回しゲーム(名前に関連したポーズを真似し合う)でも良いですし、プレゼント回し(様々な形容詞が着いたプレゼントを、回していくゲーム)もありますね。

 

・観察して想像する力

には、職業当てゲーム(言葉を使わずに、ジェスチャーでプレイヤーの職業を当てる)もありますし、家族写真(家族のタイトルに沿ったキャラクターに成り切りポーズを決める)も使えますね。

 

・落ち着き

これは、何を持って落ち着きとするかですね。緊張すると言うのは、人からの注目が大きいから、それを意識すると落ち着きがなくなってしまう人が多いです。

(この緊張については、大きなトピックなので、別記事にして行こうと思います。)

人に注目されるが、する事は簡単なゲームで、慣れてもらうのが良いでしょう。

例えば、フルーツバスケット、サンキューゲームなどありますね。

詳細は、私も最初はこの本でゲームを勉強していました。

インプロゲームにあるので、読んでみてくださいね!

 

 

 

という風に、組み立てて行きます。

まとめると

ステップ1:ゴールを決める

インプロ・演劇的要素を取り入れる目的を今一度、意識しましょう。

ステップ2:最後のゲームを決める

目的を達成してしまうゲームを決めてしまいます。ちょっとハードル高めなものがおすすめです。

ステップ3:練習ゲームを決める!

ハードル高めのゲームを、楽しんで出来る様にお手伝いする様な、準備体操の様なゲームを決めます。

 

 

 

もちろん、実際にやってみて、このグループには効果的だったけど、

こちらのグループには合わなかった・・・みたいな事はあります。

それも、ノートに取っていき自分のゲームアレンジや、説明の仕方を考えていきましょう。

こうやって自由にゲームを取り入れる事が出来る様になりますよ!

 

 

表現豊かな言語学習者が増えます様に!

今日も素敵な1日を❤️❤️

 

 

 

初心者の方にもオススメのインプロゲームの本。
これは、ワークショップ歴10年経っても、アジェンダを組み立てる時に使用します。
体系的に、基本的なゲームが絵付きで説明されているので、「どこから初めて良いのか分からない〜」という方にスタートするには最適の本です。

 

 

あと、そもそもインプロとは何ぞや!?という疑問を 綺麗さっぱりに教えてくれる本としてもオススメなのは、こちら。日常的にインプロを自然に取り入れていた筆者の経験談が書かれてあり、インプロの「Yes,and」がわかりやすい。